「せーの」!追い抜き「銀」、3人娘輝いた
【バンクーバー=山下昌一、吉永亜希子】「最高の滑りだった」― ―。
27日(日本時間28日) のスピードスケートの女子団体追い抜きで銀メダルに輝いた日本代 表。3選手は「せーの」という掛け声で、 手をつないで表彰台に飛び乗った。
1位のドイツに0・02秒届かなかったが、 まばたきの差の名勝負に、 スタンドの応援団や選手の地元は興奮に包まれた。
3選手のうち最年長の田畑真紀選手(35) にとっては1994年のリレハンメル五輪以来、 4度目の五輪出場で悲願の初メダル。表彰式後、 スタンドに両親の姿を見つけて駆け寄った。
何度も手を振ってお辞儀する娘の姿に、母の早恵子さん(64) は「最後に輝いてほしいと思っていたので、本当にうれしい」 と涙ぐんだ。母が五輪の度に持参するのは、もち米と小豆。 今回も滞在先で赤飯を炊いて、娘にふるまったという。「 赤飯は娘の好物だから」。早恵子さんは顔をくしゃくしゃにした。
父隆幸さん(66)の願いもかなった。 この日はリレハンメル五輪で買ったグレーのセーターを着て応援し た。胸についた聖火ランナーのマークを笑顔で指さして、「 これが効いたのかな」。
スタンドで見守った小平奈緒選手(23)の父、安彦さん(54) は「メダルの色は関係ない。決勝戦らしくいいレースだった」 と感極まった様子で、母光子さん(54)も「 親の方が緊張しちゃって。 人生でこんなにうれしいことはありません」と目頭を押さえた。
穂積雅子選手(23)の母静子さん(51)は「 よく頑張ってメダルを取った。会ったら抱きしめてあげたい」 と語った。
選手の出身地も快挙に盛り上がった。小平選手の地元、 長野県茅野市では市内の公民館で市民が集まり、歓声をあげた。 熱戦を見守った祖母ミエさん(84)は「 メダルが取れてよかった。万歳です。 地域のみなさんに本当に精いっぱい応援していただきました」 と喜んでいた。
100分の2秒差、日本「銀」…女子追い抜き
バンクーバー五輪第16日の27日(日本時間28日)、 スピードスケート女子団体追い抜き決勝が行われ、日本( 穂積雅子=ダイチ、小平奈緒=相沢病院、田畑真紀=ダイチ) はドイツに敗れ、銀メダルとなった。
日本は一時、ドイツに1秒7以上の差をつけたが、 終盤に猛追に遭い、 最後は100分の2秒差で逆転されて金メダルに届かなかった。 15歳の高木美帆(北海道・札内中)の出場機会はなかった。
日本女子スピードスケートでは、 1998年長野大会500メートルで岡崎朋美(富士急) が銅を獲得して以来のメダルで、銀メダルは史上初めて。 今大会の日本勢のメダルは、銀3、銅2となった。
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