C型肝炎治療副作用の貧血、遺伝子に要因 米研究者ら
C型肝炎治療による副作用の貧血が、 治療薬の量を減らさなければならないほど重くなる要因が、 患者の遺伝子のわずかな違いにあることを米デューク大の研究者ら が突き止めた。別の薬で副作用を抑えたり、 事前に薬の量を調節したりする判断に役立つという。 21日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表する。
C型肝炎は感染・患者が全国に150万~200万人いる。 毎年約3万人が亡くなる肝臓がんでは、 原因の8割を占めるとみられている。
標準的な治療は免疫を活発にする「ペグインターフェロン」 と抗ウイルス薬「リバビリン」の2種類の薬を併用する。 リバビリンの副作用で多いのが貧血で、 重症化すると量を減らさざるを得なくなる。
デューク大の研究者らはC型肝炎患者1286人の遺伝子を分析し た。貧血が重くなりにくい患者は、体内で薬物などを分解する「 ITPA」という酵素の遺伝子にわずかな違い(遺伝子多型) があり、酵素の働きが弱いことがわかった。
酵素の働きが弱い184人では、 リバビリンを減らさなければならないほど重症の貧血は4% 弱だけだった。これに対して酵素の働きが正常の863人では、 56%が重症の貧血になった。
研究チームによると、 酵素を抑える薬を併用すれば副作用の抑制が期待できる。 酵素の働きが不十分でも体に悪影響は出ないという。
0 件のコメント:
コメントを投稿