2010/04/19

GS was impeached for taking CDO exchange, just the tip of the iceberg


ゴールドマン訴追のCDO取引、氷山の一角か




米証券取引委員会(SEC)は、サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)に絡む債務担保証券(CDO)の組成と販売をめぐり、米ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価企業情報レポート)を提訴したが、同様の問題は他の金融機関にも波及する可能性がある。
今回問題になったのは、ゴールドマンが2007年に販売した合成CDO「アバカス」。CDOに組み込んだモーゲージ関連デリバティブの選定には大手ヘッジファンドの運用担当者ジョン・ポールソン氏が関与したが、同氏は、このCDOの価格下落で利益が上がる取引を行っていた。
ゴールドマンは、不正な取引はしていないと主張している。
2006年─07年には、合成CDOの組成は珍しくなかった。不動産バブルの終了局面では、高度な知識を持つ一部の投資家が、バブルの崩壊で利益が出る様々なデリバティブ取引の開発を始めていた。
16日の米株式市場では、ゴールドマン株が13%急落。CDOを組成していた他の金融機関も値下がりした。ドイツ銀行(DB.N: 株価企業情報レポート)は9%安、モルガン・スタンレー(MS.N: 株価企業情報レポー)は6%安、メリルリンチを買収したバンク・オブ・アメリカ(BAC.N: 株価企業情報レポート)、シティグループ(C.N: 株価企業情報レポート)もそれぞれ5%下げた。
トムソン・ロイターのデータによると、メリルリンチとシティ、ドイツ銀行は、2006年と2007年のCDO引き受けランキングでトップ3に入っていた。
ただ、引き受けたCDOの大半は実際のモーゲージ証券を組み込んだCDOで、「アバカス」のようなデリバティブを組み込んだ合成CDOではなかった。
ポールソン氏をはじめ、ヘッジファンド業界では、比較的組成数が少ない合成CDOの下落に賭けるポジションを組む運用担当者が少なくなかった。
<さらなる訴訟も> 
著名弁護士のジェイク・ザマンスキー氏によると、CDOで多額の損失を被った投資家の間では、ゴールドマンの訴追を受け、早くも訴訟を検討する動きが出ている。
ザマンスキー氏は「すでにゴールドマンの顧客から、損失を取り戻すため訴訟を起こしたいとの打診があった」と話す。
「アバカスだけではない。規制当局や原告弁護士は、ゴールドマンの他の商品についても利益相反がなかったか調べる見通しだ」と述べた。
CDOをめぐっては、オンラインサイト「プロパブリカ」が、シカゴのヘッジファンド、マグネターの取引を調査。ドイツ銀行、メリル、JPモルガン・チェースとの利益相反疑惑が浮上している。
取引は、マグネターが2007年に行ったもので、CDO関連証券の下落で利益が出る内容だったという。
マグネターは不正行為には関与していないとコメント。ドイツ銀行はコメントを拒否、メリル、JPモルガンのコメントは得られていない。
このマグネターの取引をめぐっては、少なくとも1件の訴訟が起きている。
オランダのラボバンクは昨年6月、マグネターが組成に関与したCDO「ノーマ」をめぐって、メリルリンチを提訴。
ニューヨーク州地裁に提出した6月12日付の訴状で「メリルリンチは、顧客である著名ヘッジファンドと組んで、モーゲージ証券市場の下落に賭けるテーラーメイドの商品としてノーマを組成した。メリルは、他にも4件のCDOを、この評判の悪い空売りヘッジファンドと協力して組成した」と主張。
メリルの広報担当者はこの問題について、ゴールドマンの訴追とは関係がないと指摘。ラボバンクはこの取引では、投資家ではなく融資機関だったと指摘した。 
SECなど米規制当局は、「アバカス」以外にも調査を拡大する方針を示している。
SECの法執行部門責任者は「(詐欺行為が)あったかどうか、あらゆる点を調査する」と述べた。
また、コネティカット州のブルーメンソール司法長官は、今回のゴールドマンの問題について予備調査を開始すると表明。
声明で「重要なのは、この問題が特殊なケースなのか、それとも、投資銀行がヘッジファンドと共謀して、知識のない投資家向けに組成・販売した証券を意図的に下落させることが頻繁に行われていたのかということだ」と述べた。




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