地球の中心、364万気圧を再現…東工大など
地球中心部の364万気圧、 5500度という超高圧高温状態を実験室で再現することに、 海洋研究開発機構や東京工業大学などの研究チームが世界で初めて 成功し、5日発表した。
地球の中心部には固体の鉄があると考えられているが、 その密度は地上の1・65倍になることが実験的に確認できた。 中心部の圧力は、 東京タワー100個を手のひらに載せた場合に相当するという。
研究チームは、先端を直径0・ 04ミリの円形に削ったダイヤモンド2個で微細な鉄粒を挟んで加 圧し、レーザー照射して加熱した。 大型放射光施設スプリング8で鉄粒の状態を分析し、 地球中心部の内核の鉄の結晶構造も確かめた。今後の研究で、 内核の外側にある外核の化学組成に迫るなど、 地球の内部構造の解明が期待されるという。
ダイヤモンドは地上で最も硬い物質で、 高圧の実験には欠かせない。だが80万気圧以上に上げると、 圧力を下げる際に壊れてしまうので、実験では使い捨てだった。 今回は0・2カラット、 1個20万円ほどのダイヤモンドを200個以上使って試行錯誤し たという。
研究チームの広瀬敬けい東京工業大教授は「地球内部にある、 あらゆる物質を人工的に合成することが可能になった」 と意義を話している。
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