2010/02/11

CEO Toyoda apologized for Toyota Cars Recall for the first time


トヨタ社長、リコール問題で謝罪 「全世界で40万台が対象」




 トヨタ自動車の豊田章男社長は9日、ハイブリッド車「プリウス」などのブレーキに不具合が発生した問題で記者会見し、「今回のリコールは全世界で40万台が対象だ。米欧でもできるだけ早くお客様にお知らせできるよう迅速に対応する」と語った。
 国内については「4車種22万台のリコールを届け出た。すでにお買い求めいただいたお客様にはお手数をおかけし申し訳ないが、販売店からまもなく連絡する。あらためておわびする」と謝罪した。
写真
新型「プリウス」などのリコール問題で、記者会見に臨むトヨタ自動車の豊田章男社長=9日、東京都文京区〔共同〕





トヨタ社長「抜ける」連発、安全性明言避ける





プリウスのABSプログラムの修正作業を説明する整備士(9日、愛知県東郷町の名古屋トヨペット和合店で)
 「トヨタは全能の存在であるとは思っていない」――。日本の環境技術の象徴だったハイブリッド車(HV)の新型「プリウス」など4車種で、トヨタ自動車は9日、リコールを届け出た。


 この日記者会見した豊田章男社長らは、ユーザーに「心配」や「迷惑」をかけたと言いながら、安全性の問題については明言を避け、「ブレーキをしっかり踏めば止まる」と歯切れの悪い説明に終始した。問題発覚直後、ブレーキの利きの遅さを「感覚の問題」と説明していた対応には、国土交通省からも疑問や批判の声があがっている。

 トヨタはこの日午後3時30分から、東京・文京区の東京本社で記者会見を開いた。豊田社長は海外のメディアも含め300人以上の報道陣を前に、自分で新型プリウスを運転して今回の問題を確認したことを明らかにし、「表現が難しい。『抜ける』という表現が一番だと思いますが、ほんの一瞬ブレーキが抜けて、止まる。ほんの一瞬です」などと「抜ける」という言葉を繰り返した。


 同席した佐々木真一副社長も「不具合」という言葉を避けて、安全性に問題があったとの認識をはっきり示さず、「わずかに」「ほんの」などの表現でユーザーの感覚的な問題だということにこだわり続けた。
 トヨタがリコールを届け出たのは、低速で雪道などを走行中、ブレーキを同じ力で踏み続けると停止距離が目標の12・3メートルより1・3メートル長くなり、13・6メートルまで伸びるという不具合。旧型プリウスに比べ停止距離は0・7メートル長く、全国から寄せられた不具合情報は84件に上っていた。


 これまで「フィーリング(感覚)の問題」としてきた同社が、一転してリコールを届けたことに、豊田社長は「トヨタは全能の存在であるとは思っていない」「伝統と誇りにかけて問題が発生した事実を追究し、顧客の安全と便宜を確保する」と述べた。だが、今月5日まで会見に応じなかった点については「批判されて(記者会見に)出てきたわけではない。私流の『カイゼン』だ」と強調した。


 ◆リコール=自動車や2輪車などの欠陥や不具合で、設計や製造過程に原因があった場合、メーカーが道路運送車両法に基づいて事実関係を公表し、製品を回収・無償修理する措置。08年度の対象台数は約535万台に上った。メーカーには該当車のユーザーに対する通知が義務付けられている。「リコール隠し」を行った場合、2億円以下の罰金も科される。




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