2010/01/15

ECB President-Torische & Market in Japan


ECBが金利据え置き、総裁はギリシャのユーロ圏離脱の憶測を一蹴




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 [フランクフルト 14日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は14日、主要政策金利を過去最低の1.00%に据え置くと発表した。据え置きは予想通り。
 ECBは下限金利の中銀預金金利は0.25%に、上限の限界貸出金利も1.75%にそれぞれ据え置いた。
 ロイターが実施したエコノミスト調査では、80人全員が金利据え置きを予想していた。据え置きは8カ月連続。また、ほぼ全員が、ECBは景気回復のしっかりとした足取りを見極めるため、2010年下半期まで金利を据え置くとの予想を示した。
 トリシェECB総裁は理事会後の会見で、金融危機後のユーロ圏の景気回復は緩やかで一定ではないとのこれまでの見方を維持した。
 また、ユーロ加盟国が深刻な経済危機に陥った場合でも「特別な待遇はない」と警告し、ECBが救済に乗り出すとの期待を一蹴した。
 「理事会は2010年のユーロ圏経済が穏やかなペースで成長するとみている。回復プロセスは一定ではない公算が大きく、見通しは引き続き不確実性にさらされていると認識している」と述べた。
 また、中期的にはインフレ圧力は弱いと予想した。
 「最新の情報でも確認されているが、09年末に向けてユーロ圏の経済活動は引き続き拡大した。しかし、実質国内総生産(GDP)を下支えする要因の一部は一時的な性格のものだ」と語った。
 欧州委員会が7日発表した12月のユーロ圏の景況感指数は91.3と、前月から上昇し、ロイターがまとめたエコノミスト予想(90.0)も大幅に上回った。半面、11月のユーロ圏失業率は10.0%と前月から上昇。小売売上高は前月比1.2%減と失望を誘う内容となった。また、マネーサプライM3伸び率は前年同月比マイナス0.2%と、統計開始後初めてマイナスとなった。
 ECBが年内に利上げを実施する可能性について、トリシェ総裁はコメントを避け、ユーロ翌日物無担保金利加重平均(EONIA)が今後数カ月間極めて低水準にとどまっても驚きではないと語った
 IHSグローバル・インサイトのハワード・アーチャー氏は「ECBが2010年第4・四半期より前には利上げしないとのわれわれの見方を変える理由は見当たらない」と述べた。
 ユーロ圏の景気回復の道を険しくする多くの要因の1つにギリシャの財政状況がある。
 ギリシャのパパコンスタンティヌ財務相はこの日、現在2ケタに達している同国の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を、12年に2.8%まで引き下げることなどを盛り込んだ「3カ年財政健全化計画」を閣議で発表した。同計画は15日に欧州委員会に提出する予定という。
 トリシェ総裁は、ギリシャもしくは他の国がユーロ圏を離脱するとの見方は「ばかげた仮説」だとした。
 ただ、それと同時に、ユーロ加盟国が深刻な金融状況に直面した場合にはECBが救済に乗り出すとの見方を打ち消し、「どの政府、どの国も、ECBの特別な待遇を期待してはならない」と言明。「一部の政府、ある国の政府が特にそうだが一国だけではなく複数の国の政府が非常に厳しく困難な決断を下さなければならないことは承知している」と述べた。
 ユーロ圏全体の成長については、金融危機後に取った異例の景気刺激策の効果で予想以上に伸びる可能性があるとの認識を示し、「信頼感も一段と改善する可能性があり、世界経済は貿易と共に予想よりも力強く回復するかもしれない」と語った。
 下振れリスクとしては、石油をはじめとする商品(コモディティ)価格が再び上昇する可能性や保護貿易主義の圧力、世界的な不均衡是正に関連した市場のボラティリティなどを挙げた
 銀行セクターに対する支援措置の解除計画についてはほとんど情報を提供しなかった。ECBは前月の理事会で、緊急の流動性供給を段階的に縮小する方針を示している。
 総裁は「これまでと同程度には必要でなくなった異例の流動性措置の段階的解除を理事会は引き続き実施していく」と述べるにとどまった。





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