ミケランジェロ、神の姿に解剖図の「隠し絵」
ルネサンス期のイタリアの芸術家ミケランジェロがバチカン・ システィーナ礼拝堂の天井に描いた神の絵に、 脳の一部や目の神経系などの解剖図が、 一見ではそれとはわからない「隠し絵」 として描き込まれていることが、 米ジョンズホプキンス大学の研究でわかった。 専門誌ニューロサージェリーに掲載された。
隠し絵がみつかったのは、闇と光を分ける神の絵。 同大の脳外科医と医療イラストレーターが、 画像をデジタル処理して輪郭などを細かく調べた。その結果、 神のあごひげからのどにかけての凹凸が、 中脳や延髄などが集まった「脳幹」 という脳の中枢部を下から見上げた解剖図と重なった。 この不自然な凹凸については、 ミケランジェロの意図について専門家の間でも論議があった。
腹部にも不自然なひだが描かれており、これは、 同時期に活躍したダ・ ビンチが残した目と視神経の解剖図によく似ているという。
ミケランジェロやダ・ ビンチは人体を描くために遺体の解剖を行い、 医学や生物学の高度な知識を持っていた。
◆システィーナ礼拝堂=バチカン宮殿にある礼拝堂。 15世紀に法王シクストゥス4世によって建てられた。 16世紀にミケランジェロが描いた旧約聖書の9場面からなる天井 画や、壁画「最後の審判」が有名。
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