EU、ギリシャ向け融資合意 3年で12~15兆円
IMFと協調
- 2010/5/3 1:45
【ブリュッセル=瀬能繁】
欧州連合(EU)、国際通貨基金(
IMF)とギリシャ政府は2日、
財政危機に陥っている同国への資金支援策で基本合意した。
EUは同日の
ユーロ圏の緊急財務相会合で、
ギリシャ政府の財政再建計画を認め、
IMFとの協調融資も決める。協調融資の規模は2010~
12年の3年間で1000億~1200億ユーロ(約12兆~
15兆円)になる見通し。1999年の通貨統合後、
初めてユーロ導入国が資金繰りで相互支援する。
2日、緊急財務相会合の前に握手するギリシャのパパコンスタンティヌ財務省(右)とECBのトリシェ総裁(ブリュッセル)=ロイター
ギリシャ向けの協調融資は2010年に最大450億ユーロ。うち300億ユーロをギリシャを除くユーロ圏15カ国、残りの150億ユーロをIMFが融資する計画だ。EUとIMFはギリシャの資金繰りが厳しければ来年以降も融資を継続する。中期的な支援方針を明確にすることで、金融市場でのギリシャに対する信用不安の解消をめざす。
一方、ギリシャ政府は2日の閣議で、
付加価値税率の引き上げなど
を柱とする中期的な財政再建策を決めた。
財政赤字を今後3年間で300億ユーロ削減する計画で、削減幅は
国内総生産(GDP)の1割を上回る規模。
財政赤字のGDP比率を09年の13%台から14年に3%
以下まで低下させる。
再建策はEUの
欧州委員会、
欧州中央銀行(ECB)、
IMFとの協議を経て作成した。
ギリシャにとっては資金支援の前提となる「
財政健全化への明確な道筋」を示した格好だ。
バローゾ欧州委員長は2日、「堅実で信頼のできる計画だ」
との声明を発表、ユーロ圏各国に協調融資で合意するよう促した。
ユーロ圏15カ国はギリシャ向け融資の国内手続きを加速する。10年に80億ユーロ超を負担する見通しのドイツは3日に関連法案を閣議決定し、フランスも週内に予算案の国会審議を終わらせる。近くブリュッセルで緊急首脳会議を開き、支援を正式決定する運びだ。
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